ミケディー・ジョーンズ ~VRを求めて~

女性には、なかなか理解して貰えないかもしれないんですけど、男は自分の下腹部をペットのごとく可愛がっているんですよ。

 

時として「息子」などと呼ぶ溺愛ぶり。

 

みな親バカ。

 

息子であり、友であり、宝である。
そんな存在です。

 

あの福山雅治も「ジョニー」などと名付けて可愛がっているはずです。

その息子はね、朝起きた時、いっつも元気なんですよ。朝型です。

吉沢亮のジョニーも、きっと朝型です。

 

不思議なもので勝手に元気になっているんですよ。
オートマティックです。

毎朝it's automaticです。

宇多田ヒカルさんのAutomaticは男の下腹部の歌なのです。(※諸説あり)

 

 

私もね、朝起きたらオートマティックでした。
モーニング息子がwow wowしてました。

まったく仕方のないLOVEマシーンだなっと呆れつつ、息子をwow wowしておさめようかなと思っていたら、友人からLINEが来たんですよ。

 

要約すると「VRはすごい!」という内容でした。
VRの大人向け動画を体験したらしいです。

 

ほーん・・

 

ほーんっとね思いまして、

 

私もネットカフェに行きVRを体験しようかなっと。

 

いや私はね、別にあれなんですけど、息子がね、どうしてもと・・ゴニョゴニョ

 

などと言い訳しつつ・・

 

もうね!インディー・ジョーンズくらいのテンションなわけ!

VRという宝を求めて、家の扉を開け外へ歩みだしたんですよ。

 

そしてやってきました、ネットカフェ。

 

まさかのね、まさかの店員さんが私と同い年くらいの女性でした。

綺麗な店員さんでした。

この人にVR頼まないといけないわけ。
「今からエッチな動画を見ます!」と宣言するようなもんですよ。

恥ずかしすぎる・・

もうほぼ痴漢でしょ、これ。

 

しかしインディー・ジョーンズ気分の私は無敵。
その程度のピンチじゃへこたれません。

痴漢まがいの行為なんてなんのその。

なんならネカフェ内をトロッコで爆走したろかいっつーくらいの心意気。

 

すごい早口&小声でね「VRで」って言ったわけですよ。最短文字数で。

はい、ほんとはビビリ倒してました。
エロ本買う時の、他の漫画でサンドイッチみたいなのも出来ないからね。
勇気だしてね、早口で言ったの。頑張って言ったの。
早く言っても遅く言っても、大してかわんねーのに。

 

案の定、店員さんに「え?」って言われました。

 

私も覚悟決めてね。もう一度言ったよ。次はハッキリと。

 


「ぶぃらーるで。」

 


ヤバいヤバい!めっちゃ噛んだ。

超ピンチに陥った。

 

しかし、さすがインディー・ジョーンズ!

ピンチを覆す強運を持っていました。

 

だめだこれ、絶対伝わんなかったわって思ったけどね。

 

店員さんが「はい」って言ってくれてね。


なんとか伝わったみたい。
さすがプロだね。
聖徳太子も顔負け。よくぞ聞き取った。

よきかな、よきかな!

 

私は足早にその場を離れて、ほっと一息。なんとか乗り切った。
googleマップのレビューに「ここの店員は聖徳太子でした。」と書いてあげよう。

もちろん星5で。

 

さあ、もう宝はすぐそこ。

ここまで来たら、もう楽勝ピーポー。

あとは部屋に入ってVRをひたすらに味わうだけ。

 

何番の部屋かな~つって店員さんに貰った紙を見たらね、書いてありましたよ。

 


『ビリヤード』

 

ん?

 

ん?

 

オーケー、オーケー。落ち着け。

 

やっぱりね。

 

やっぱり伝わってなかったわ。
さすがプロっての前言撤回ね、どうせバイトだし。
全然聖徳太子じゃねーわ、聖徳太子なめんなっつーの。

お前はせいぜい佐村河内だっつーの。
まあ悪いの私なんですけど。

 

もうね。

 

もうね。


ビリヤードをしました。

 


だってそう書いてあるんだもん。

 

もらった紙に「ビリヤード」って。

 

だからね、


ビリヤードをしました。

 

 

うっすら涙を浮かべながら

 

wow wow言いながら

 

そりゃあもう・・


ビリヤードをしました。